今回読んだ本はこちら。
仏教のルーツを知るにはちょうど良い入門書だと思います。
読書日記:仏教のルーツを知るための一冊「ゴーダマは、いかにしてブッダとなったのか」
僕はどちらかというと無宗教の人間ですが、むかしから仏教の歴史には興味があって、この手の本は何冊か読んでいました。
この本は仏教の成り立ちにフォーカスを当てて紹介しています。
本の内容は?
いまの日本に広まっている仏教は「大乗仏教」と呼ばれるもので、本来のお釈迦様が創られた仏教とは大きくかけ離れています。
「神秘的な存在を信仰することによって救ってもらう」というのは大陸を伝わってくる過程で生まれた「仏教と似て非なる仏教」だったのです。
この本では、仏教のルーツを分かりやすい形で紹介しています。
1時限目〜6時限目までの授業形式でお話しが進んでいきます。
- 上座部仏教と大乗仏教の違いは?
- お釈迦様の本名は?
- 仏教が生まれた地、当時のインドはどんな様子だったのか?
- お釈迦様はどこから来てどこに行ったのか?
- なぜお釈迦様が仏教を創られたのか?
- 仏教は横の繋がり
- お釈迦様の弟子はどんな人たち?
- 大乗仏教はどうやって生まれたのか?
- お釈迦様の残された言葉の数々
といった内容を分かりやすく紹介しています。
個人的に面白かったのが、「仏教が何年前に誕生したのか?」というトピックです。
仏教の歴史だけでは年代を特定するヒントが無く、いままではかなりアバウトな年代の特定だったそうです。
しかし、インドのアショーカ王朝が残した碑文が解読されたことによって、お釈迦様がいつごろ実在したのか、という特定ができたのです。
約2500年前にお釈迦様が仏教を創られた、というのはほぼ確実なのだとか。
また仏教の歴史を紐解くためには、大陸の歴史や民族の移動も含めて学ぶ必要がある、というのは興味深い内容でした。
勝手に採点表
- 本のボリューム:★★★☆☆
- 読みやすさ:★★★★★
- 分かりやすさ:★★★★☆
- オススメ度:★★★★★
- ためになった度:★★★★☆
授業の形式で書かれているので、語り口が柔らかく、読み進めやすい文章でした。
1時限がだいたい30分くらいで読み終わるので、毎日の通勤途中で1時限ずつ読めば、一週間で読み終わるくらいのボリュームです。
感想
本来の仏教は、信仰では無く、自分自身の力で悟りを開くのが目的です。
そういう意味で、無宗教の僕にとって仏教というのは、宗教というよりは道徳的な教科書のように見えるのです。
日本の「葬式仏教」ではなく、本来の仏教の教えに触れてみるのは、今の人たちには有益かもしれません。
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